想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜
 新しい情報を仕入れてきたのか、別のCAが話しているのが耳に入る。

 5246便? それって……。

 嫌な予感がして、鞄からスマホを取り出す。

 スケジュールアプリを立ち上げて凱斗さんの予定を確認する。

「うそでしょ……」

 まさに、凱斗さんが今日乗務する便だった。

 窓に駆け寄り、再び空を見上げる。

 滑走路上には不足の事態に備えて、消防車などの緊急車両がたくさん待機していた。

 その数の多さに、事態がいかに深刻なのかがわかる。
 
 お願い……、お願い……。
 
 自分は安全な場所にいて、祈ることしかできないのがもどかしい。

 両手を組んで必死に拝んでいると、誰かが私の肩に手を置いた。

「蓮見さん……」
「一報を聞いて、あなたを探しに来たの。話は聞いているみたいね」

 管理職である蓮見さんが私を探しに来たということは、インシデントが発生した飛行機が、凱斗さんの乗るもので間違いないということだ。

「やっぱり凱斗さんの」
「ええ、彼が副操縦士として乗務している便で間違いないわ」

 不安が本物になり、一気に血の気が引く。

「どういう状況なんですか?」

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