想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜
 昨夜の凱斗さんの態度が気になって、あまり眠れなかった。

 食欲もなかったけれど、空腹のままで乗務するわけにはいかない。

 ぼんやりした頭のまま起き出して、朝食を作る。

 凱斗さんは、まだ部屋から出てこない。
 

 しばらくして姿を現した凱斗さんは、昨夜の気まずさを引きずったままだった。

「おはよう」
「おはようございます」

 その後は言葉が続かず、居心地が悪そうにしている。

 自分でもどうしてあんなことをしたのかわからないんだろうな。戸惑っているのが見てわかる。

 インシデントの後で、混乱していたんですよね。

 きっと普段通りの私達に戻った方が、凱斗さんも気が楽なはず。
 
 凱斗さんにわからないように、そっと息を吐いて、私の方から会話を投げた。

「今日も通常どおりに乗務なんですか?」

「……いや、今日は一日会社からの聴取がある。乗務は代わってもらったよ。そのうち国土交通省も入るだろうから、たぶんスケジュールは変わる。正確なスケジュールがわかったら、アプリは更新しておくよ」

「わかりました。また確認しますね」

< 158 / 173 >

この作品をシェア

pagetop