響け!シャガのクレッシェンド
「どうする?殴り込みでもするか?」

会社を睨むように見ながらアントーニョが腕をカンガルーのものに変える。レオンハルトは「トーニョ、少し様子を見よう」と彼を止めた。

レオンハルトは会社の様子を窺う。会社の一階部分は電気がついていない。しかし、二階部分には眩しいほどの電気がついていた。しかし、人がいる気配は全く感じられない。

「人は誰もいないようだね」

レオンハルトがそう言うと、「今日は平日の昼間だろ。普通、社員がいるだろ!」とアントーニョが返す。カナタは不安そうに会社の窓を見つめていた。

「ジュンイチ兄さん……」

その時である。「うちの会社に何かご用ですか?」という声が後ろから聞こえた。振り返ると、ウェーブがかった長めの黒髪をした男性とジュンイチが立っていた。

「ジュンイチ兄さん!」

カナタがジュンイチに駆け寄ろうとする。それを男性が持っている杖で制した。

「うちの社員に近付かないでいただけますか?」

「何だテメェ!!カナタはそいつの従兄弟だよ!!」
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