青い青い空
『ryosuke aibOSHI』
朝のホームルーム前。
窓の外の渡り廊下に担任の姿を確認した僕は、ダンッと大きな音を立てて立ち上がった。
「おい。いい加減にしろよ」
向かった先は、全ての元凶。
彼女の机に、ボロボロになった本を叩き付ける。案の定彼女やその周りの女子たちは、びくりと大袈裟に肩を震わせた。
「君のせいでこんなんになってんだけど。直せよ。直さなかったらマジで許さねえ」
それだけ言って立ち去ろうとする僕にクラス中が噛み付いた。いろいろと言いたい放題言っていたが、結局一つにまとめると、言いたいのは『僕が悪い』ということ。
無論、ただ黙って悪口を聞いてあげるほど、僕はできた人間ではない。
「じゃあお前らがすんのか? 今まで散々ダメにしてきた本も、教科書も、体操着も。締めて五万以上の弁償を。言いたいことがあるならはっきり言えばいいだろ。口で勝てねえからって寄って集って卑怯なことしてんじゃねえ。自分が悪くねえってんなら堂々としてろや」
その時、タイミング悪く「誰だ騒いでいるのは!」と担任が教室に入ってくる。担任の視線は、勿論立っていた僕に向いた。
「お前か窪谷! 騒いでいたのは!」
「まあ、発端は」
「廊下に立っていろ!」
「はい」
今時そんなことを言う教師がいるんだなと、ため息を落としてクラス中を見渡した。けれど誰一人として、堂々と立ち向かってくる者はいなかった。