青い青い空

 あたふたとしていた私を宥めるように、頭にぽんと大きな手が乗っかる。


「えーっと、右京くんだったかな」

「はい」

「大変申し訳ないんだが、約束は後日では難しいだろうか」

「……編集長?」


 一石の申し出に、一瞬右京の眉が顰められる。


「やはり、お二人で先約がありましたか」

「そうじゃないよ。ただ今日は、俺のせいで彼女に残業をさせてしまってね。相当疲れているだろうから今日のところは勘弁してやって欲しいっていう、編集長たっての頼み」

(一石さん……)


 確かに、毎日慣れない仕事でへとへとだ。本音を言えば、今すぐ家に帰ってお風呂に入って、ゲームしながらアイスを食べて、本を読みながら寝落ちしたい。

 しかし、残業になってしまったのは彼のせいではなく自分のせいだ。それは間違いない。でも、その気遣いがとても嬉しかった。



 その一石の頼み事をじっくりと聞いてから、右京は真っ直ぐに答えた。


「それはできません」

「その理由は聞いても?」

「一刻を争いますので」


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