青い青い空
『Tori bukeyasHIKI』
――……どう、して。
ある時は車に轢かれ、ある時は歩道橋の上から下まで転がり落ちて。
――どうして。
ある時は通り魔に襲われて、ある時は強盗犯に襲われて。
――どうしてなんだよ……!
そうして彼女は、空を千切ったいくつもの世界で、いつも同じようにこの世から消えていった。
「彼女がいないと意味がない。彼女が生きていてくれないと……」
死ぬ思いで手に入れた神の力。年は取っても、怪我や病は一瞬で治る。朽ちることはないそれは、いつしか不死の体となっていた。
けれど、こんなの聞いてない。
空を千切った先々にも、同じ未来しかないのか。千切っても千切っても、彼女はこの世から消えてなくなるのか。
「……気が狂いそうだ」
それも、自分に関わってしまったばっかりに。
「このままじゃ、だめだ」
このままでは、彼女の願いを叶えてあげることなど到底できない。
「ただ、僕は……」
彼女に、笑っていて欲しいだけなのに。