青い青い空

『Tori bukeyasHIKI』




 ――……どう、して。


 ある時は車に轢かれ、ある時は歩道橋の上から下まで転がり落ちて。



 ――どうして。


 ある時は通り魔に襲われて、ある時は強盗犯に襲われて。



 ――どうしてなんだよ……!


 そうして彼女は、空を千切ったいくつもの世界で、いつも同じようにこの世から消えていった。



「彼女がいないと意味がない。彼女が生きていてくれないと……」


 死ぬ思いで手に入れた神の力。年は取っても、怪我や病は一瞬で治る。朽ちることはないそれは、いつしか不死の体となっていた。

 けれど、こんなの聞いてない。

 空を千切った先々にも、同じ未来しかないのか。千切っても千切っても、彼女はこの世から消えてなくなるのか。


「……気が狂いそうだ」


 それも、自分に関わってしまったばっかりに。



「このままじゃ、だめだ」


 このままでは、彼女の願いを叶えてあげることなど到底できない。


「ただ、僕は……」


 彼女に、笑っていて欲しいだけなのに。


< 220 / 647 >

この作品をシェア

pagetop