青い青い空

page.28 消滅願望、存在理由




「青崎さん、この資料のことなんだけど――」

「修正しておきました。確認お願いします」


 間髪を容れない返答に「あ、ありがとう……」と、A先輩が珍しく感謝をこぼす。


「青崎さんごめん。この間頼んだ分締め切りが早まったんだけど――」

「今し方入力し終えました。確認でき次第お持ちします」


 またもや一切の隙を与えぬ返事に「え。あ、ありがとう?」と、疎ましく思っていたであろうB先輩までもが驚きながら感謝をもらす。


「ちょっと青崎さん。顔貸しなさい」


 しかし三人目ともなると、そう簡単にはいかないのか。いつもよりも濃いメイクのC先輩は、苛立ちを隠さずに青崎へと詰め寄った。


「……生理用品ありがとう。今から謝恩会だったから助かったわ」

「いえ。ちょうど手持ちがあったので。お役に立てて何よりです」


 なんと、コンプリート! 青崎伊代選手、先輩たちからの攻撃を物ともせず見事に解決してみせました!


「なんか、いつにもまして青崎さんやる気に満ちてますね。龍ノ平編集長」

「名前」

「一石編集長?」

「新堂、暇そうだな」

「地獄の掛け持ち打ち合わせが無事に終わったので、久々内勤なんですが。何かあったんです?」

「何が」

「何がと言われるととても難しいんですが。こう、いろいろ?」

「毎日いろいろあるだろ」


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