青い青い空

『byakuDAN orise』




 いつものように、すみませんと彼女に声をかけようとした時だった。目の前に、大きな鎌が現れたのは。

 そしてその鎌が狙っているのは、その彼女の首だった。



『見つけたぞ、大罪人』


 その時だった。声が聞こえたのは。

 鎌の傍に、大きな人型のような影が浮かび上がる。それがどんどんと小さく圧縮されていき、そして黒いローブを着た子供の姿になった。



『残念だけど、キミが幾ら願おうとも、それは叶わない』

(どういうことだ。この子供は一体……)

『ボクは、運命の神。……死神、と言った方がキミにはわかりやすいかな』


 宙に浮いていた子供は、大きな鎌を携えてゆっくりと僕の目の前に降り立った。



『どの世界でも、少女は十六で尽きる運命を背負っている』

(そんなはずない。だって、彼女は今こうして目の前で生きているじゃないか)

『キミも見てきたはずだ。少女が必ず、十六でその命の灯火を消してきたと』


 頭の中をぐるぐると回る、彼女の終焉。

 それを僕は、何回と、何十回と、何百回と、何千回と見てきた。



『キミが幾ら足掻いたところで、定められた運命は変わらないんだ』


 ――じゃあ、僕が今までしてきたことは、一体何だったんだ。



(……ただ、僕は……)


 この命を捧げてでも、この運命を投げ打ってでも、彼女の願いを叶えたかった。それだけなのに。


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