青い青い空
どうあっても白を切ろうとしているのだろう。だから、優劣は初めから歴然だった。
「こう見えて私、弟のクラスに知り合いが三人ほどいるのですが」
一人の少年は、こんなことを見聞きしたそうだ。青崎宵の、弱みを探している人物がいると。
一人の少年は、とある現場を目撃したそうだ。青崎宵の後を、こっそり付けている人物がいると。
一人の少年は、とある人物を、私の会社の前で見つけたそうだ。
「それから、先程そのクラスメイトたちから動画をいただいたのですが」
「動画ですって?」
「はい。所謂、証拠の動画なんですけど」
鞄の中からスマホを取り出した私は、先程快慶から送られた動画を、校長の快諾の下再生させてもらうことに。
そこには、サンドバッグ状態で殴られている少年と、その少年に何かを吐き散らしながら何度も殴りかかっている弟の姿が映っていた。
「ハッ! 見てみなさい! とても正常な人間がやることではないわ! 姉が男好きなら弟は暴力男! 異常なご家庭ですのねえ!」
母親は、そうやってさも自分たちは間違っていないと、言いたい放題言いい散らかした。
けれど、息子はそうならなかった。動画を撮られていた、そして付き纏っていたことを知られていた事実に、酷く怯えているように見えた。