青い青い空
「一石が佐裕子と揃いの指輪を外してる話。しかも離婚したのかって聞いてくるバカどもたちに、ご丁寧にもそもそも結婚してないと訂正して回ってるときた」
「今までずっと濁してこられたのに、今になってそんなことをしているとなると、答えは自ずと出てくるかと」
「……えっと」
ちょっと待ってよ。就業時間中は完全に仕事マンだったはずでは。
「動揺しているご様子を見るに、どうやら周りを固められているようですね」
「あいつ、顔に似合わずやると決めたらどんな手段を使ってでもやる男だから」
「ま、まだ私何も言ってな」
「ご愁傷様です、青崎さん」
「一石は嫉妬深いからな。先に忠告しとくわ」
「だ、だから一石さんとはほんと、そういうんじゃないんですって」
必死の訴えも虚しく、そろそろ仕事に戻らなければいけない時間に。
後ろ髪を引かれる思いでその場をあとにしようとすると「青崎さん、今夜のご予定は?」と声をかけられた。
「何か、お話しになりたいことがあるとのことでしたので」
「おいおい。一石がいながら浮気か? デートの誘いか?」
「青崎さんがよければ、このゴリラも連れて行きますよ」
「おい。誰がゴリラだ」
「ああすみません。マウンテンが抜けていました」
「ようし。部署に帰ったら拳骨の刑決定」