青い青い空
酒の飲めない私が食事を済ませたあと、「それでは送ります」とスマートに店から出される。流石に二度も野田をあのまま放置できないと抵抗しようとしたけれど、「いいんですよ」とやさしく諭された。
それに既視感を覚えて尋ねてみれば、やはり前回、右京はタクシーとして野田に呼び出されていたようだ。今夜はその時の詫びだと何を言っても聞かないので、素直に奢らされることにしたのだと、彼は少し困ったような顔で笑う。
「私はしてもらってばかりなんですけど」
「青崎さんからそういう話を聞けること自体が、野田さんにとっては何よりも喜ばしいことだったのではないでしょうか」
「いつもよりも随分とハイペースで飲んでいましたし」と、やっぱりなんだかんだ仲のよい二人は、よく飲みにも行っているようだ。
「野田さんにとって今夜は、幸せな時間だったと思いますよ」
「甘やかされすぎてませんか、私」
「しょうがないですよ。野田さんにとって、青崎さんは特別な人ですから」
「特別?」
以前同様、コンビニの端にある喫煙スペースで話し込む。今まさに齧ろうとしていたバニラバーを口から離すと、「父と娘の関係らしいですから」と煙草に火を付けながら右京は答えた。
「まあ僕は遠慮したいところですが。正直気が知れませんし」
「でも随分仲がよく見えますよ? 端から見てると」
「やめてもらってもいいですか。虫酸が走るので」
「ふふっ」