青い青い空
page.XX 九色の神、命の代償
〝九色の虹の根元には神様が眠っていた〟
長きに渡り、その言い伝えを正しく伝える者は一握りもいなくなった。
そしてまた、愚かな人間が命を投げた。
龍神は人間に問いかけた。『望みは何か』と。
けれど、答えはいつも決まっていた。
己の命を何とも思っていない者。またはそう思考を支配された者は『村の繁栄』を。支配が解けた者は『蘇り』を。己がかわいい者は『欲にまみれた願い』を。
そして、死に逝く人間は答えた。『助けてくれ』と。
だから龍の神たちは声を揃えた。『死んだ人間は助けられない』と。
人間はさらに答えた。『どうしても生き返らせたい人がいる』と。
龍の神たちは再び答えた。『死んだ人間は蘇らない』と。
人間は諦めずに声を張り上げた。
『彼女の願いを叶えなければならない。彼女には笑っていて欲しい』と。
それでも龍の神たちは、無感情のままに答えた。
『それが、その者の持つ運命だったのだ』と。
人間は声を荒げた。
『彼女が一体何をした! それが運命? 彼女から色を奪っておいて、今度は命もだと? それが世界の――神のすることか?! もしそれが許されるのならば、彼女はこの世界に殺されたんだ。お前らのような怠惰の神に殺されたんだ! 彼女の運命に見向きもしないお前らに!』
まるで、今まさに命の灯火が消えようとしているのが嘘のように。