青い青い空
page.58 大好きな母、たった一つの願い
灼熱の太陽に、インドアで鍛えた青白い肌がジリリと焼ける。けれど、眩しい世界はコントラストがはっきりとしていて、物の境界線が見えやすい夏が、私は好きだった。
「広夜さん、飲み物何がいいですか」
「自分で取りますので大丈夫ですよ」
「人の世話ばっかしてねえでちっとはじっとしてろ」
「なんだか落ち着かなくって。宵くんは何飲む?」
「コーラ」
「はーい。ちょっと待ってね」
生前、母は口癖のように喋っていた。
『私が死んだら、海に撒いてね』
今思えば、きっと母は、その頃から自分の死期を悟っていたのだろう。
青い空、白い雲、眩しい太陽、そして広い海。
今日は家族全員で、母の墓参りに来ていた。