青い青い空
古葉 龍青は【青い青い空】だ。アナグラム――つまり、アルファベットを並び替えると、AOI BRUE SKYになるから。
綴りが違うのはご愛敬。夢でも同じことを言っていたし。
しかし、届けられた『他の作者たち』は【青い青い空】の同盟者ではなかった。加入するためには、余分なものがあったからだ。
それを抜き出し、届けられた順に並び替えてみたが、まるで呪文でも唱えているかのよう。ただ、日本語か英語か。何かの言葉になりそうな予感だけはしていて、帰宅してからずっと、それをパズルのように組み合わせるのに没頭していた。
そうしていれば、家にいても何も気にならないと思って。
「おい。飯は」
そう思っていた時だった。扉の向こうから声をかけられたのは。
慌ててベッドに潜り込みながら答えた。食欲がないからいらないと。
いつもそれでやり過ごしているというのに、何故か扉の向こうで弟はふっと噴き出して笑った。
「お前、たまには違う言い訳考えろよ」
誰のせいでこんなことになっていると思っているのか。「んなの俺に決まってんだろ」と開き直りそうなのが目に見えているので、文句は黙って飲み込んでおいたけど。