青い青い空
けれど、彼女はどの世界からも消滅した。
どの世界からも、階段から転がり落ちて。
彼女が消滅していく度、黄龍の心には何かが積もり積もった。
『まさか、罪悪感を抱いているとでも? この僕が? たかが人間一人に?』
何百と世界を渡ってようやく気付いた。少女はただ階段から転がり落ちたわけでないと。
少女は、いじめを受けていた。黄龍は、それに気付くのが遅かった。少女は、突き落とされたのだ。
『どうして。何も言わなかったんだ!』
腕の中でぐったりとする少女の手を握り、問い掛けた。今にも事切れてしまいそうな弱々しい脈動に、強く胸を締め付けられながら。
『……せんせいには。わらっていて。ほしくて……』
『……っ!』
いつも、ありがとうございましたと、その世界の少女は腕の中で息を引き取った。
黄龍に、罪の意識を背負わせたまま――。