青い青い空
「あ。右京さん、もうお帰りですか?」
「はい。ご馳走様でした」
二人分の会計を済ませ、店の扉に手を掛ける。開く前に一度振り返ると、彼女は笑顔で見送ってくれていた。
「青崎さん」
名前を呼ぶと、少しだけ不思議そうな顔をしながら彼女は首を傾げた。どことなく幸せそうな表情に、それ以上言葉は必要ないと悟る。
「素敵な週末を」
「ありがとうございます。右京さんも」
「はい。ありがとうございます」
「気をつけていってらっしゃい」
いってきます――そう笑顔で返して、静かに喫茶店の扉を開けた。