青い青い空

「話は変わるが、今日はいい知らせを持って来たんだ」


 そう告げた砂押は、プリーツスカートのポケットから、二つのビー玉を取り出した。そのビー玉は、無色透明だった。


「……まさか」

「ああ。そのまさかだ」


 さらに、加えてもう一つ。これ以上ない報告を耳打ちされて、思わず胸の奥が熱くなる。

 ……そうか。よかった。本当によかった。

 心から、そう思えた。そう思えたことが、心から嬉しかった。


「それでー? 結局あの子は誰を選んだわけー?」

「あんた、野暮って言葉知ってる?」

「僕だって伊代クンのこと大好きなんだから、ちょっとくらい意地悪したっていいじゃん」

「……あんた、そんなこと言える立場だったかしら」


 砂押は、大きな息を吐いた。吐いてから、それがため息ではなく安堵だったことに気付いて、一人ふっと笑みを浮かべる。


「本。読んだわよ。すごくいい内容だった」

「これで、少しくらいは、正しい言い伝えが伝わるといいんだけどね」


 二人はふっと笑い合った。

 流石にもう、こんなにも面倒な願いを叶えるのは懲り懲りだねと。


< 595 / 650 >

この作品をシェア

pagetop