青い青い空
十六歳という運命を乗り越えた君は、置かれた環境もあってあの頃より消極的になりがちだ。けれど、人を気遣えるやさしい心は、きっとどこの世界よりも勝っているだろう。
でなきゃ、ここまで面倒くさい男、どうやったって選びはしないでしょ。
青崎宵が好きになったのは、この世界の青崎伊代。それが事実だ。
記憶があったって、それ以外には有り得るはずがない。あってはならない。
そんなことを考えているせいか上手く筆が乗らず、少し休憩でもしようかと思っていたら、彼女がベッドの上で腕を組んで難しそうな顔をして悩んでいる。
どうしたのかと聞いてみれば、どうやらパズルがそれらしく完成したらしい。
「HIMITSU HA HIKIDASHI NO NAKA……?」
「意味は通じるよね?」
「どこの引き出し?」
「さあ」
「そもそも秘密って?」
「さ、さあ……?」
それに、ベッドの周りには使われていないアルファベットが落ちている。
「あ、それは快慶くんからもらった手紙の分なんだけど、それ入れちゃうと言葉にならなくて」
「よくわかんないんだけど、手紙は読んだの」
「あ」
「読んでないんかい」
「今までは投稿した人の名前だけだったから、ついうっかりしてた」と、慌てた様子で封を切った便箋の中には、一枚のカードが入っていた。