青い青い空
AOI BRUE SKY

page.1 ランチタイム、特等席、日課




 遠慮がちに吹き込む春風が、肩上で切り揃えられた毛先を揺らしていく。髪を撫で付けようとして、思ったよりも手前でストンと指先が落ちてようやく、そういえば髪を切ったんだったと思い出した。

 それに思わずくすりと笑っていると、今度はまるで挨拶でもするかのように、先に小さなストーンの付いたイヤリングを風が揺らしていく。

 窓際に座っている私―― 青崎 伊代(あおさき いよ) は、慣れないくすぐったさに小さく身を捩った。


(もうすぐ春ですね)


 たまにはいいかもと、そんな風に口ずさみながら静かに手を合わせ、昼間の喧噪をBGMにトートバッグから一冊の本を取り出す。ではそろそろ、日課の読書に精を出すことにしようかと。


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