Special Ｘ’mas

し

「きゃ～！遅刻する～っ！！」


家の中を騒がしく走り回る。


今日は、デートな日……なのに起きてみれば時刻は午後１時。


どうやったらここまで爆睡出来るんだっって程爆睡してしまっていた。


そのため、髪の毛は寝癖でぼさぼさ。


運悪く、足がむくんじゃって…………………。


恭牙とのデートの時間は午後５時。


お化粧なんか、まだ慣れていない私は時間がかかっちゃうし、洋服もまだ決めていない。


そんなのしていたら、あっという間に時間が経っていって、今は午後４時半。


ばたばたと慌しく走ったせいで少し息が乱れている。


恭牙は車で迎えに来てくれるって言ったから、きっとどこか遠くにでも連れて行ってくれるのかな？


そんな期待で胸が膨らんだ。



部屋の隅に置いてある、等身大の大きな鏡に身を映せば、完全に気合を入れているのが丸判りな私がそこにいた。


普段着ないワンピースなんかも着ちゃったり…。


似合っているかなんてわかんない。


どちらかというと、このワンピースは大人っぽいデザイン。

だから、子供っぽい私には似合わないかも…なんて。


ダメだよねっ。またしょんぼりなっちゃった。


今日は恭牙と楽しまなくっちゃ！！


そうこうしているうちに、ピンポーン……と明るいチャイムの音が家に響いた。