ルナのイケメン生活
学生生活
それから、授業は本格的にスタートした。
最初の一ヶ月は確認みたいなものでそこまで苦ではない。
困ったことと言えば、柊くんが、何かというと絡んでくることだ。
「プリントみせて!」
プリントや参考書であったり、教科書であったり、筆記用具であったり。
「……柊くん、なにしに学校来ているの?」
「んー。ルナちゃん観察?」
「勝手に下の名前で呼ばないで」
なぜかイケメン君に懐かれたわけであるが、周りの人の顔は見れない。特に女子。俗に言う1軍女子は般若の顔になっている。
「えー。ルナちゃん困ってるじゃん! 私の貸してあげるよ」
毎回、メイクバッチリの国城さんが貸してくれるらしいのだが、柊くんは釣れない。
「いらない」
「キミの汚そう」
と宣う。
「は? 汚くないし」
塩対応というのか、冷徹な対応というのか。どうやらそんなクールな対応も女子の心をつかんで離さないらしい。
メイク完璧な国城さんはそんな柊くんにメロメロだ。
キャイキャイと女子が群がっている後方でルナ達はボソボソと感想を述べる。
「私ならぜっっったいにむり!」
「そーよね。汚そうって……一度言われたら立ち直れないかも……」
ルナの友達もドン引きしている。
「ルナ、変な奴に粘着されないうちに部活なりバイトなり決めなよ」
「えー。まだ決めてなーい」
「前期は授業楽そうだから早めに新しい環境に慣れなくちゃ」
「そうだよねぇ」
考えている間に昼休みは終わった。
(今日もお弁当美味しかったなぁ。明日は何にしようかな)
早くも、ななみも、りりかもバイトに部活を決めたようだ。
(これから、どうしようかっなー)
運動音痴だから運動部なんて続かない。
朝起きるのが苦手だから朝練のないところにしたい。
吹奏楽なら続くかもしれないが……。
(出来るのかな、そんなところ)
トボトボと歩いてあると柊くんと男子生徒にであった。
「ルナちゃーん、部活迷ってるの?」
「柊くん……とお友達?」
「そう。これから軽音に行こうかと思って」
私ははてなの表情を浮かべたのだろう。少し声音が優しくなる。
「音楽嫌い?」
「好きだけど。歌うのとか音痴だし。楽器なんて弾けないし……」
「今どきは打ち込みがあるから何とかなるよ」
「一緒にいこうよ。部員集めてこいって先輩から言われてんだよねぇ」
一番気になることを聞いてみる。
「朝練とかあるの?」
お弁当も作らなくてはならないから、朝早いのは厳しい。
柊くんのお友達はサラッと答えてくれた。
「ないんじゃない? 文化部規律緩いし」
「それなら行く」
部活棟というのがあるらしいが、
音楽をやる吹奏楽部と軽音部は旧校舎と呼ばれる一番古い建物を使っているらしい。
全体的にホコリっぽい小さな部室に選抜が一人、柊くんとお友達、そして私が集まった。
「柊、そのルックスで手先器用そうな男子に声かけてこいって言ったよなぁ?」
「男ばっか居ても受けないかと」
「んで? その子は楽器出来るの?」
柊くんはサラリという。
「ボーカリストで」
「は?」「は?」「え?」
沢山の戸惑いが空間を満たした。
「はー。柊推薦ね! じゃ、とりあえず歌ってみ」
楽譜を渡されてワタワタする。
(昔、ちょっとだけピアノ習ってたからなんとかなるかもしれないけど……いきなりー?)
先輩はギターを鳴らしてイントロを弾いてる。
やけくそで、書き込まれた歌詞を歌う。
(メロディーが、下がるのか上がるのか分からない)
柊くんはハモリの部分をしてくれているらしく何とか曲らしくなっている。
終わったら先輩からの厳しい評価だ。
「ボーカリストとしては声量駄目、音程なしだよねぇ。歌駄目ならマネージャーってことで」
「ねぇ~。柊くん、その圧倒的なルックスで、もうちょい人集めてくんない?」
「無能な女ならいくらでも寄ってきますけど。いります?」
「んー。無能ちゃんはなぁ。邪魔なだけだし、部室に入らん」
「んじゃよろしく。マネージャーちゃん」
「駄目っすよ。先輩。この子俺のなんで。マネージャー必要なら先輩、自分で確保してください」
「うにゃろ。1年間このありさまなんだから、いるわけないだろ」
「1年から探せばいいじゃないですか」
「いるかねえ。そんなやつ……ルナちゃんしらないの?」
「入学早々歌が得意なやつなんて早々いません……あ」
思い当たる人ならば、いた。
「あっ。違うクラスなんで名前わかないですけど、入学式の校歌やたら声が大きい人いたなぁって」
「あー。確かにいましたけど顔はイマイチでしたよー」
「うわー。一応ビジュアル系目指してんだわ。どうかなぁ」
悩む先輩をよそに柊くんはスマホをいじり始めた。
「何してるの?」
「学年名簿見てんの。確か、前列の方だったから名前はわかるかなと思ったんだが……んー。2人のどっちかしか分からないな」
「井口?……まさかな」
先輩は引きつった顔をしていたが、気が付かないことにする。
★★★
翌日、1年3組の入り口前に柊くんは立っていた。
「おはよう。今日は早いね」
「先輩めいれい。井口ってやつ捕まえろって」
教室入り口にたむろしている柊くんファンに声をかけている。
「ねぇ、井口ってやつどいつ?」
「あんな根暗になんのよう?」
「ちょっとね」
(うわぁー。流石はイケメン。女子に聞いただけで人物特定出来ちゃうんだ)
「井口龍也っていうんだけど、何?」
「あんた、音楽興味ある?」
「アニキバンドしてるからちょっと教わったことあるくらいかな」
(いきなり過ぎでは……っていうかバンドやっている人多いんだなぁ)
「多少楽器弾けるけど……」
「なら部活やらね?」
「いいよ」
(物事がスムーズに進むなぁ)
「あっ、でもこの娘には手出すなよ」
「……ああ」
(なんか睨んできた? というのかなんでいちいち私のこと話すんだろ)
「じゃ、移動教室だから」
最初の一ヶ月は確認みたいなものでそこまで苦ではない。
困ったことと言えば、柊くんが、何かというと絡んでくることだ。
「プリントみせて!」
プリントや参考書であったり、教科書であったり、筆記用具であったり。
「……柊くん、なにしに学校来ているの?」
「んー。ルナちゃん観察?」
「勝手に下の名前で呼ばないで」
なぜかイケメン君に懐かれたわけであるが、周りの人の顔は見れない。特に女子。俗に言う1軍女子は般若の顔になっている。
「えー。ルナちゃん困ってるじゃん! 私の貸してあげるよ」
毎回、メイクバッチリの国城さんが貸してくれるらしいのだが、柊くんは釣れない。
「いらない」
「キミの汚そう」
と宣う。
「は? 汚くないし」
塩対応というのか、冷徹な対応というのか。どうやらそんなクールな対応も女子の心をつかんで離さないらしい。
メイク完璧な国城さんはそんな柊くんにメロメロだ。
キャイキャイと女子が群がっている後方でルナ達はボソボソと感想を述べる。
「私ならぜっっったいにむり!」
「そーよね。汚そうって……一度言われたら立ち直れないかも……」
ルナの友達もドン引きしている。
「ルナ、変な奴に粘着されないうちに部活なりバイトなり決めなよ」
「えー。まだ決めてなーい」
「前期は授業楽そうだから早めに新しい環境に慣れなくちゃ」
「そうだよねぇ」
考えている間に昼休みは終わった。
(今日もお弁当美味しかったなぁ。明日は何にしようかな)
早くも、ななみも、りりかもバイトに部活を決めたようだ。
(これから、どうしようかっなー)
運動音痴だから運動部なんて続かない。
朝起きるのが苦手だから朝練のないところにしたい。
吹奏楽なら続くかもしれないが……。
(出来るのかな、そんなところ)
トボトボと歩いてあると柊くんと男子生徒にであった。
「ルナちゃーん、部活迷ってるの?」
「柊くん……とお友達?」
「そう。これから軽音に行こうかと思って」
私ははてなの表情を浮かべたのだろう。少し声音が優しくなる。
「音楽嫌い?」
「好きだけど。歌うのとか音痴だし。楽器なんて弾けないし……」
「今どきは打ち込みがあるから何とかなるよ」
「一緒にいこうよ。部員集めてこいって先輩から言われてんだよねぇ」
一番気になることを聞いてみる。
「朝練とかあるの?」
お弁当も作らなくてはならないから、朝早いのは厳しい。
柊くんのお友達はサラッと答えてくれた。
「ないんじゃない? 文化部規律緩いし」
「それなら行く」
部活棟というのがあるらしいが、
音楽をやる吹奏楽部と軽音部は旧校舎と呼ばれる一番古い建物を使っているらしい。
全体的にホコリっぽい小さな部室に選抜が一人、柊くんとお友達、そして私が集まった。
「柊、そのルックスで手先器用そうな男子に声かけてこいって言ったよなぁ?」
「男ばっか居ても受けないかと」
「んで? その子は楽器出来るの?」
柊くんはサラリという。
「ボーカリストで」
「は?」「は?」「え?」
沢山の戸惑いが空間を満たした。
「はー。柊推薦ね! じゃ、とりあえず歌ってみ」
楽譜を渡されてワタワタする。
(昔、ちょっとだけピアノ習ってたからなんとかなるかもしれないけど……いきなりー?)
先輩はギターを鳴らしてイントロを弾いてる。
やけくそで、書き込まれた歌詞を歌う。
(メロディーが、下がるのか上がるのか分からない)
柊くんはハモリの部分をしてくれているらしく何とか曲らしくなっている。
終わったら先輩からの厳しい評価だ。
「ボーカリストとしては声量駄目、音程なしだよねぇ。歌駄目ならマネージャーってことで」
「ねぇ~。柊くん、その圧倒的なルックスで、もうちょい人集めてくんない?」
「無能な女ならいくらでも寄ってきますけど。いります?」
「んー。無能ちゃんはなぁ。邪魔なだけだし、部室に入らん」
「んじゃよろしく。マネージャーちゃん」
「駄目っすよ。先輩。この子俺のなんで。マネージャー必要なら先輩、自分で確保してください」
「うにゃろ。1年間このありさまなんだから、いるわけないだろ」
「1年から探せばいいじゃないですか」
「いるかねえ。そんなやつ……ルナちゃんしらないの?」
「入学早々歌が得意なやつなんて早々いません……あ」
思い当たる人ならば、いた。
「あっ。違うクラスなんで名前わかないですけど、入学式の校歌やたら声が大きい人いたなぁって」
「あー。確かにいましたけど顔はイマイチでしたよー」
「うわー。一応ビジュアル系目指してんだわ。どうかなぁ」
悩む先輩をよそに柊くんはスマホをいじり始めた。
「何してるの?」
「学年名簿見てんの。確か、前列の方だったから名前はわかるかなと思ったんだが……んー。2人のどっちかしか分からないな」
「井口?……まさかな」
先輩は引きつった顔をしていたが、気が付かないことにする。
★★★
翌日、1年3組の入り口前に柊くんは立っていた。
「おはよう。今日は早いね」
「先輩めいれい。井口ってやつ捕まえろって」
教室入り口にたむろしている柊くんファンに声をかけている。
「ねぇ、井口ってやつどいつ?」
「あんな根暗になんのよう?」
「ちょっとね」
(うわぁー。流石はイケメン。女子に聞いただけで人物特定出来ちゃうんだ)
「井口龍也っていうんだけど、何?」
「あんた、音楽興味ある?」
「アニキバンドしてるからちょっと教わったことあるくらいかな」
(いきなり過ぎでは……っていうかバンドやっている人多いんだなぁ)
「多少楽器弾けるけど……」
「なら部活やらね?」
「いいよ」
(物事がスムーズに進むなぁ)
「あっ、でもこの娘には手出すなよ」
「……ああ」
(なんか睨んできた? というのかなんでいちいち私のこと話すんだろ)
「じゃ、移動教室だから」