ライバルがユーレイなんて聞いてない!


 *


 焼きそば、フランクフルト、ラムネにヨーヨーつり。
 やっぱり祭りって楽しい!

 めちゃくちゃ楽しいんだけど、虹架ちゃんと二人きりになれる気がしない!

 というより、なんか間が悪くて話すことしかできてない。

 さすがに人が多いから全員でゾロゾロ行くわけにはいかないし、花火の場所取りと買い出しとで分かれたり、途中トイレに行ったりしてたら結局話すヒマがなかった。


「はあ……」


 二人きりで花火見ながらコクハクしたら、ロマンチックかな? なんて思ってたんだけどな……。


「小日向、元気ないのね」

「矢野さん。一人?」

「星來の帯がほどけちゃったみたいで、トイレで直しに行った。虹架もそれにつきそってるから私は戻ってきたの」

「そうなんだ」

「双子と八雲くんはチョコバナナとわたあめ買いに行ったわよ」

「あいつらよく食うなぁ……」


 たぶん八雲は双子に付き合わされてるだけだと思うけど。


「小日向一人だとかわいそうだと思って」

「あはは、お気づかいありがとう」

「ねぇ小日向……」


 矢野さんはなんだか改まったようにいった。


「うん?」

「あの、今日ね……すごく楽しみにしてた」

「俺も。花火楽しみだよな!」

「そうじゃなくて」

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