ライバルがユーレイなんて聞いてない!


 *


「真白さーん!」


 俺は大声でさけびながらかけ回った。
 女子トイレの近くにいるかと思ったけど、それらしき姿は見えない。

 確か虹架ちゃんはピンクに赤い花柄の浴衣を着ていたな。
 すごく似合っててかわいかったな……じゃなくて、早く見つけないと!


「真白さーん! いたら返事してー!」

「小日向くん!?」


 名前を呼ばれてハッとして、声のした方を振り向いたら虹架ちゃんが石段に座っていた。


「見つけた! よかった〜」

「ごめんね。迷子になって、ゲタの鼻緒も切れちゃったの」


 虹架ちゃんのはいていたゲタは、確かに鼻緒が切れてしまっていた。


「スマホも圏外で連絡もできなくて、ごめんなさい」

「いやいや、会えてよかったよ」


 俺はしゃがみこんで背中を出した。


「はい、乗って」

「ええっ!?」

「みんなのところまで戻れば、ゲタは八雲が直せると思うしおんぶしていくよ」


 たぶんだけど、八雲ならなんとかできる気がする。

 いや知らんけど、八雲ならなんとかできそうじゃね?


「でも……」

「大丈夫! 俺力あるからさ」

「いいの……? ありがとう」


 虹架ちゃんが俺の肩に手を置いた時、急に空からパーン! という音が聞こえた。

 空を見上げると、ちょうど花火が打ち上がったところだった。

 その後も次々と赤や緑、黄色にかがやく花火が打ち上がる。


「た〜まや〜!」


 誰かのそんな声が聞こえた。


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