ライバルがユーレイなんて聞いてない!
目をゴシゴシこすってもう一度見たけど、やっぱり雷斗がいる。
花火の消えた夜空を背に、半透明の体でふよふよと浮きながらニコニコ笑っていた。
「ええっ!? 雷斗くん!?」
『虹架ちゃんもオレのこと視えるの!?』
「う、うん、視えるみたい……」
『ヒャッホ〜! マジか! うれしいなぁ!』
雷斗は大はしゃぎしながらぐるぐる飛び回る。
「いや、そんなことより! お前成仏したんじゃないのかよ!?」
『したよ?』
「じゃあなんでここにいるんだ!」
『だって今日、お盆だから』
お盆って……、そういえばばあちゃんが言ってたっけ。
お盆の期間は毎年ご先祖様の霊があの世から自宅にかえってくる日だって。
だからお盆になったら迎え火といって、かえってくるご先祖様が迷わないように火を焚くんだって。
いやでも、火なんて焚いてねーぞ?
『だから、この花火だよ。この花火大会がお盆にやるのは、大きな打ち上げ花火が目印になるようにってことらしいよ。知らなかった?』
「し、知らなかった……」
『とゆうわけで、ただいま〜!』
いや、かえってくるの早すぎだろ!
あの感動的な別れはなんだったんだよ!?
「おかえり、雷斗くん」
『ただいま、虹架ちゃん』
虹架ちゃんはニコニコとうれしそうに雷斗を見つめている。
雷斗もまた虹架ちゃんに向かってほほ笑んでいた。