桜の咲くころ、思い出して

bloom4.)

『おっはよ~~~!』

「…。」

『あーれ?奈絵ちゃん声が聞こえないぞ??もう一度いくよ、おっはよ~~~!』

「…おはよう」

朝からすごく元気だ、私の頭の中は。
他の人に聞こえないことをいいことに大声で叫んでる、でもここ山の上じゃないの通学路なの。

「…ねぇ」

『ん~??』

「私、決めたことがあるんだけどね」

昨日の夜、布団の中で目をつぶりながら考えた。
ううん、そうしてるつもりだったんだけど全然できてないからもう一度ちゃんとしておこうって。

「学校ではヨシノと話さない」

『ふぇ?』

「だからヨシノも私に話しかけないでほしい」

って、言わないとできないと思って…

私が。

つい話したくなってしまうから、そばにいることを感じたくなって。

「だから…今からもう話さない!」

『まだ学校着いてないもんよくね?』

「でも誰が見てるかわかんないし」

『着くまで暇じゃん』

「…。」

そ、そうかもしれないけど…!

学校へ行くって決めたのは私だから、私が行きたいって言ったの。
それなのにヨシノに頼ってちゃ…ダメ、だと思うの。

「…なんのために学校行ってるかわかんないもん」

『……。』

だからもう話さない、学校では。

そう決めた。


でも学校だけだからね?

それ以外は変わらないし!


自分で自分を勇気づけて。
自分で決めたけど、本当にできるかはちょっと不安で怖いから。

だけど…このままじゃ変われないよね?


『…奈絵』

「だから学校で話しかけてこないでね!私も返さないから!」

『何でもオレに言えばいいんだよ』

「…っ」

ヨシノの声が頭の中でこだまする。

『オレはずっと奈絵といるから』

…。

そんなこと言わないでよ、そんなこと言われたら私はずっと…っ

『つーかオレ暇じゃね?』

「……。」

『何してたらい?日本一でかい花のデータでもまとめる?』

「…うん」

とりあえずお願いしといた、暇って言うから。
そのデータ使う予定今のところないんだけど、ちょっとおもしろそうだなとは思って。

「……。」

大きく息を吸って吐いて、一歩踏み出した。


私も世界を変えたい。

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