桜の咲くころ、思い出して

bloom2.)

「奈絵、休んでもいいのよ」

「大丈夫だよママ」

「でも…」

制服じゃなくて今日はジャージを着て、リュックを背負って…
あ、あと今日は時計がいるんだよね!腕時計もばっちり!

で、家から出ようとしたら不安そうなママに呼び止められた。

「先生もいるし、ちょっと山登るだけだから平気だよ!」

「本当に?山登りなんて危なくないかなぁ」

「学校の行事だよ、大丈夫だって」

だけどママの気持ちもわかる、私の記憶ではこれが初めての課外学習だから。
小学校の頃にキャンプはしたことあるらしいけど。

「じゃあいってきます!」

「あ、待って奈絵!」

それでも心配なママの眉毛はハの字で、私のリュックをつかんだ。

「絶対無理はしないでね!」

「うん」

「何かおかしいなって思ったら途中で帰って来ていいからね!」

「うん」

「いつもで諦めていいんだよ!」

「…うん、わかった」

こくんっとうなづいて、今度こそ家を出た。

中学校入学して初めての行事なんだ、私だって不安はないわけじゃないけど…


がんばりたいの、変わりたいから。

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