私の従者は…
翌日。
卒業パーティーで書道パフォーマンスをする事になった。
お嬢様はヴァイオリンで演奏をする。
私が言うのもなんだがお嬢様のヴァイオリンの実力はなかなかのもので何度かコンクールで優勝した事もある。
さらにオーケストラの特別演奏者として呼ばれた事もあるし断ってはいたがそのオーケストラの強化練習生として選ばれた事もあった。
一緒に演奏するのは小鳥遊悠真だ。
彼もピアノの実力者でピアノの国際コンクールで優勝した事もあるらしいし学園ではピアノの貴公子なんて呼ばれている。
一方私はお嬢様の従者として恥ずかしくないようたしなむ程度だ。
だから少し彼を羨ましく思う事もある。
でもまずは卒業パーティーを無事終える事が第一だ。
そのために学園では書道パフォーマンスの打ち合わせや練習、帰って来てお嬢様のお世話がひと段落ついて時間ができると招待状の作成や当日の給仕の調整などという忙しい日々を過ごした。
そんな時。
お嬢様に卒業パーティー用の新しい服を仕立てる事を勧められた。
でも着ていこうと思っていたものがあったしなにより西園寺家はもう充分なほどになにかの折に触れてもらっていたからその申し出は丁寧にお断りしたかったが押し切られてしまった。
「仕立て屋を呼びますから。これは決定事項です」
そう言われたら従者である私は断れない。
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