先生、あなたに逢えて幸せでした
『よ−し!授業始めるぞ!席につけ。』



俺はなんとか、その女子生徒から目を離しながらクラス全体を見渡した。




『んじゃ、俺の自己紹介!社会科担当の伊室陽介。よろしくな』


とりあえず、自分の名前を言う。


『最初の授業だし、名前と顔を覚える為に出席とるぞ』


俺は一人一人名前を呼び顔を見ていく。


『要 由佳!!』


ついに、出席表の中から女らしい名前を見つけた。




「はいっ」



普通の女より少し高い声。緊張しているのか小さい声。


あいつ、要 由佳って言うのか。


やっぱり他のクラスの女子より、いやこの高校の中で断トツで綺麗な顔だ。


色白で、髪は肩より少し長めの柔らかそうな髪質。さっき、授業前に礼をする為に起立した時に見た、細い手足。身長は160ぐらいかな。


こいつは、かなりモテるだろうな。




これが、俺のあいつに対する第一印象。




狼の中に居る可愛い子羊。



こりゃ、本当に気にかけて見てないと問題起こりそうだな。




ヤバイぞ......




< 18 / 428 >

この作品をシェア

pagetop