先生、あなたに逢えて幸せでした

宣戦布告



6限目が終わり直ぐに学校内に放送が掛かる。


<建築科二年 栗原、至急社会科職員室 伊室まで>

健太が放送を聞き帰り支度を済ませ鞄を持って職員室へ向かう。


―――ガラッ


『栗原です。呼ばれて来ました。』


「おう。悪かったな!ちょっと付き合え。」


そう言って先生は健太を人気のない屋上へ連れて行った。



「今日は要は?」
先生が言う。


『友達と約束あるから保健室から直帰。』


「そうか。倒れたから心配してたんだ。よかったよ!大事に至らなくて」


『特別授業で疲れと寝不足、ストレスが溜まったんだよ。それより、俺に用?話しあるんじゃねーの』


「栗原お前気付いてんだろ?」


『何が。』


「俺が要を保健室へ連れていった後の事。お前見たんだろ?」


『だから何が』


「俺が要にキスしてた所だよ。シラきるなよ!要の鞄扉の前に置いたのお前だろ」



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