鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜
私は病室に来ていた。
病室にハルにキスするために来る、なんて、なんてこんなに悪いことをしようとしているんだろう。
「……ハル、ごめんね。」
私はそう言って、キスをした。
って、眠り姫の王子様バージョンだなって思った。
でもいくら待ってもハルは起きない。
そうなんだよきっと。
なにがだろう。私はハルのことを好きで、でもなにが足りなかったって言うのだろう。
好きだけの気持ちじゃ、足りないのかもしれない。
「ハル、また会おうね!」
私は目からつたるものを袖で拭き取って、病室を出たのだった。