鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜
「あっ……ハル。」



言うってきめたはず。なのに、なのに、「花火大会、一緒に行きたい。」その言葉が言えない。

こんな時に、勇気を出そうって思ったのに、出せないなんて……。



うー……早く言わないともっと気まずい空気になる……。



は、早く言わないと……



「アキ、俺から言う。
…ふぅ。明後日、花火大会あるだろ。」



えっ……ハルが言ってくれた。
もしかして、また顔に出てた?!



……優しい。

「あるね。」

一緒に行こうくらいは言わせて欲しい。
私も勇気が出てきた。

「「一緒に行こう。」」


あっ……被った。でも……うれしい。
少し気持ちが繋がったような、そんな感じ。


2人とも、視線を他に巡らせた。


あっ……また被った。


ていうか、見れるの?花火。



「花火は、こっちの世界で見れる。」



あっ、鏡の世界じゃなくて、『こっちの世界』って言ってる。


まぁ、生死の間の世界って言いにくいもんね。

なんかいい言い方無いのかな?

うーんなんか、うーんいい案が思いつかない。うーん。うーん。

「どうした?大丈夫?」



あっ、悩んでたから、怖いように見えたのかな?


「大丈夫だよ!一緒に行きたかったんだ!」



言ってから実感する。ハルと花火大会行けるんだ!
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