n回目のリフレイン



 ──だから、さよなら。



 ところどころ色が剥げたポストは、円柱に帽子を被ったような形をしてる。

 手紙をサコッシュから出すと、その口に押しこんだ。


 カタン、と軽い音。


 空を見上げる。



 相変わらず曇り空で、雨は降ってない。

 これから晴れるのか、雨が降りだすのか。



 スマホで確認しようとして、やめた。

 切符を買って改札を通りすぎて、誰もいないホームでなんとなく電車が来るほうを見つめる。



 ……これで本当に帰れるのかな。



 不安だ。何度も戻ってしまったし、当然と言えば当然ではある。

 でも浮かんだ不安は消さずに向きあうことにする。

 私自身が無意識に、ループする世界を望んだから起きてしまったことだ。

 私の気持ち次第でまたそうなる可能性は十分にある。


 それでも。


 何度も見た車体が見えてきた。少し下がって止まってからドア横のボタンを押す。ドアが開く。


 私は、明日を生きるんだ。



〈了〉


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2026.03.31 誤字を訂正 銀野あお様、レビューありがとうございます。 ひとこと感想やいいね等、読んでくださった皆さまに御礼申し上げます。
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ある人は言った。 大切ならば、うんと優しくすべきだと。 真綿で包むように接するべきだと。 またある人は言った。 大事ならば、むしろ厳しくすべきだと。 辛く悲しいことでも、本人のためにするべきだと。 私が彼らの立場なら、一体どちらを選ぶだろう。 *+†+*──*+†+*──*+†+*──*+†+*──* 借金のカタに売られた高校生 鈴村和泉 (Izumi Suzumura) × 売られた先の双子兄弟 房宗颯斗・凛斗 (Hayato Husamune. Rinto Husamune) *+†+*──*+†+*──*+†+*──*+†+*──*

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