n回目のリフレイン



 急行から各駅停車に乗り継ぐこと数時間、ボタンを押してドアを開け、改札の駅員さんに切符を手渡した。

 もう流れ作業というかルーティンワーク。


亜衣(あい)ちゃん、いらっしゃい!」


 駅を出ると、軽トラに寄りかかっていたお祖父ちゃんが声をかけてきた。白くてよれよれのTシャツに擦り切れたジャージのズボン。これも記憶と同じ。

 私はうんざりした顔にならないよう、どうにか口の両端を上げてお祖父ちゃんに近づいた。


「お祖父ちゃん、お迎えありがとう」

「どういたしまして」


 お祖父ちゃんはニコニコしていた顔をしかめて、私のスーツケースを持とうとした。


「疲れただろう? お祖父ちゃんが持つよ」

「え? 大丈夫だよ、大丈夫」

「無理しちゃいかんよ、そんなげっそりした顔して」


 そこまで疲れた顔なんだ。


「四時間もかけてここに来たんだ、いくら中学生でも疲れるに決まってる」


 あー、これも聞いたなぁ。

 私は記憶と同じように動くお祖父ちゃんを無視して、スーツケースを持ち上げた。


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