小悪魔男子の甘い罠

虚しい帰り道

その日の帰りのエレベーターの中ではМさんと気まずくて目を合わせられなかった…。

チラとМさんの顔を覗き込むとその目には何の表情も浮かんでいなかった…。

ただ、ガラスのように無機質な吸血鬼の瞳がそこにはあった…。

「ヤバい!何て言い訳をしたらいいんだろう(汗)」

エレベーターを降りて最後のお見送りでМさんに、
「さっきなんだけど、あれは優さんが勝手に横に来て!私は浮気なんかしてないよ!優さんが離れてくれなくて。。」

「僕、そういうの気にしないから…」
と静かに笑っていた。

「あ…あの!」

「じゃあ!またね!歌舞伎町危ないから気をつけて帰ってね!」

Мさんと手を振ってお別れして、まだ心のモヤモヤが残っているけど、その日は終わった。

夜の歌舞伎町を歩いていると必ずキャッチセールスに声をかけられる。
「お姉さん!ホストはいかがですか?」
そういう勧誘は払いのけて終電に駆け込む。ホストの担当はМさんだけで十分!!

終電の扉が閉まると一気に現実に引き戻される。
まるでシンデレラみたいだ…。
今日の楽しいホストクラブの世界は終わって、また明日から窮屈な日常生活が始まると思うと気が重い。

でも、ここに行けばホストのМさんと優さんにまた会える!そう思えば気が楽になる!

「МさんからLINE来てるかな?」
LINEの確認をすると、

М「今日も来てくれてありがとう!!
次はいつ会えるか分かったらすぐ教えて欲しいな♡
さっきナンパされてたよね?Kが無事帰れたか心配だな…。」

K「さっきの見られてたんだ!?店の近くだったもんね(汗)大丈夫だよ!ちゃんと電車に乗れたから!」
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