気がつかないで
霜降くんの友達
「あ、えっと…もう授業始まってるよ?」
俺はふたりに、ぎこちない笑みを浮かべた。
まさか霜降くんに会うなんて思ってなかったし。
というか、霜降くんの下の名前凛って言うんだ。
そんな呑気なことを考えている間に、もうひとりの男の子が近づいてきていた。
「わっ…!」
俺は何歩か後ずさる。
そんな俺をじっと見つめてくる。
「へー、君かわいいね。俺男は対象外だったけど、君ならいけるかも。ねえ、名前なんていうの?」
「え、えと…一条とあだけど…」
距離が近くて、なんか慣れない。
それにこの子香水で、すごい大人の匂いする気がする。
「おい那月、近い」
「ぐえっ…」
霜降くんが男の子の襟を思いっきり引っ張った。
助けてくれたみたい。
「はいはい、すみませーん。あ、ちなみに俺は朱雀那月ね。ちなみにアルファって間違えられがちだけど、ベータね」
「っ!そ、そうなんだね…!」
容姿も整っててベータって感じはしないから、アルファだと思って身構えてたけど違ってよかった。
俺はホッとした。
「てか、見れば見るほどかわいいねとあくん。何年何組?転校生だよね?」
「ううん。明日から特別教諭として2年に入るんだ」
俺がそう言うと、朱雀くんは驚いたように声を上げた。
「うっそ!その年齢で先生!?何歳なわけ!?」
「えっと…」
もし年齢を言ったら、霜降くんの時のように疑問に思われるよね。
説明はしたくない。
そう困っていると、霜降くんが助けてくれた。
「年齢聞くのもデリカシーないんじゃね?やめろよ」
「あ〜、そっか。ごめんねとあくん。いや、年上だからとあさんの方がいいか」
俺がチラッと霜降くんを見ると、ふいっと視線を逸らされた。
やっぱ嫌われてるな。
霜降くんのこと見てほしいって言われてるし、これだけあからさまに嫌われてると大変そう。
「あ、えっと…そろそろ時間だからごめんね」
俺は時間を見てハッとした。
そろそろ桃乃を迎えに行くって言った時間だ。
俺は急いで靴を履き替えて、昇降口を出た。
「ちょっと、とあさん!?どこ行くんですかー?」
「娘の迎え!まあ、明日からよろしくね!」
俺はそうして急足で学校を去った。
その頃ふたりは呆然として、昇降口に立ち尽くしていた。
「え、とあさんって娘いるんだ。見た目的に20歳前半じゃね?」
「…どうでもいい」
凛の興味のなさそうな声を聞いて、那月はムスッとする。
「ったく、凛はなんでもそうなんだよなー。でも、娘いるってことは奥さんいるのか〜。指輪してないしわかんなかった」
那月は勘違いしている。
凛はすぐにそう思ったが、わざわざ訂正する必要性を感じなかった。
「あ〜あ、かわいい子見つけたと思ったのに」
「誰彼手出してんじゃねーよ」
那月に本当のことを言わなくてよかったとホッとした。
凛は気がついていた。
ラットになった時、偶然にもとあのうなじを見ていたから。
番なしのくせに娘…か。
どうも引っかかるところがあった。
あの人はもしかしたら、自分と同じ側の人間かもしれないと思い始めていた。
そして凛は、本能的にとあを手に入れたいと思ってしまっている。
俺はふたりに、ぎこちない笑みを浮かべた。
まさか霜降くんに会うなんて思ってなかったし。
というか、霜降くんの下の名前凛って言うんだ。
そんな呑気なことを考えている間に、もうひとりの男の子が近づいてきていた。
「わっ…!」
俺は何歩か後ずさる。
そんな俺をじっと見つめてくる。
「へー、君かわいいね。俺男は対象外だったけど、君ならいけるかも。ねえ、名前なんていうの?」
「え、えと…一条とあだけど…」
距離が近くて、なんか慣れない。
それにこの子香水で、すごい大人の匂いする気がする。
「おい那月、近い」
「ぐえっ…」
霜降くんが男の子の襟を思いっきり引っ張った。
助けてくれたみたい。
「はいはい、すみませーん。あ、ちなみに俺は朱雀那月ね。ちなみにアルファって間違えられがちだけど、ベータね」
「っ!そ、そうなんだね…!」
容姿も整っててベータって感じはしないから、アルファだと思って身構えてたけど違ってよかった。
俺はホッとした。
「てか、見れば見るほどかわいいねとあくん。何年何組?転校生だよね?」
「ううん。明日から特別教諭として2年に入るんだ」
俺がそう言うと、朱雀くんは驚いたように声を上げた。
「うっそ!その年齢で先生!?何歳なわけ!?」
「えっと…」
もし年齢を言ったら、霜降くんの時のように疑問に思われるよね。
説明はしたくない。
そう困っていると、霜降くんが助けてくれた。
「年齢聞くのもデリカシーないんじゃね?やめろよ」
「あ〜、そっか。ごめんねとあくん。いや、年上だからとあさんの方がいいか」
俺がチラッと霜降くんを見ると、ふいっと視線を逸らされた。
やっぱ嫌われてるな。
霜降くんのこと見てほしいって言われてるし、これだけあからさまに嫌われてると大変そう。
「あ、えっと…そろそろ時間だからごめんね」
俺は時間を見てハッとした。
そろそろ桃乃を迎えに行くって言った時間だ。
俺は急いで靴を履き替えて、昇降口を出た。
「ちょっと、とあさん!?どこ行くんですかー?」
「娘の迎え!まあ、明日からよろしくね!」
俺はそうして急足で学校を去った。
その頃ふたりは呆然として、昇降口に立ち尽くしていた。
「え、とあさんって娘いるんだ。見た目的に20歳前半じゃね?」
「…どうでもいい」
凛の興味のなさそうな声を聞いて、那月はムスッとする。
「ったく、凛はなんでもそうなんだよなー。でも、娘いるってことは奥さんいるのか〜。指輪してないしわかんなかった」
那月は勘違いしている。
凛はすぐにそう思ったが、わざわざ訂正する必要性を感じなかった。
「あ〜あ、かわいい子見つけたと思ったのに」
「誰彼手出してんじゃねーよ」
那月に本当のことを言わなくてよかったとホッとした。
凛は気がついていた。
ラットになった時、偶然にもとあのうなじを見ていたから。
番なしのくせに娘…か。
どうも引っかかるところがあった。
あの人はもしかしたら、自分と同じ側の人間かもしれないと思い始めていた。
そして凛は、本能的にとあを手に入れたいと思ってしまっている。


