彼は魅惑のバレリーノ
シャワーから出ると、キッチンからふわりとパンの焼ける香りが漂ってくる。

「カフェラテとコーヒーとココア、紅茶。どれがいい?」

「じゃあ、カフェラテ。」

「了解。」

少しして、湯気の立つカフェラテが差し出される。

「はい、どうぞ。パンももう少しで焼けるから。俺もシャワー浴びてくる。」

「うん。」

焼きたてのパンがちょうどいい色に仕上がり、それをお皿に盛り付ける。

「あれ、先に食べててよかったのに。」

「それじゃあ、寂しいじゃん。」

そういうと、目を丸くしすぐ嬉しそうに微笑む。

「……そうだね。」

二人で並んで、あたたかい朝食をゆっくり味わう。

結ばれた日の朝は、静かで、やさしい時間が流れていた。
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