彼は魅惑のバレリーノ
もう、訳がわからなすぎて。

亜季にメッセージを送ったら、
数秒でスマホが震えた。
電話だ。

『なになにー?どうしたの?
服何着たらいいって! デート? デートなの!?』

明るい声がスピーカーから弾ける。
このテンション、深夜でも変わらないのすごい。

「ちょっと、絵を見にいくだけだよ!
チケットもらったから。」

『そういえば、そんなこと言ってたわね!
でも着る服悩むってことは……まさか深山?』

「ちがう! 別の人。」

『え? なに? そんな人いたの!?』

「成り行きだから、成り行き!」

『ふーん』

絶対ニヤついてる声だ。

「あ、彼氏とお泊まりデートじゃなかった?
大丈夫?」

『あー、平気。いまアイス買いに行ってくれてるから。』

「優男だなぁ。」

『でしょ。
……で、服どうすんの。
とりあえずさ、服並べてビデオ通話にして。』

「はーい。」

スマホをスタンドに立てて、
床に散らばった服をかき集める。

亜季の声がスピーカーから飛んでくる。

『はい、じゃあファッションショー始めまーす』

……頼もしい。
こういうときの亜季、ほんと神。
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