迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~
扉の向こう側は通路になっていた。窓がないため真っ暗で何も見えない。
しかし、通路の先から四角い光が漏れ出ている。どうやら扉があるようで、どこかの部屋と繋がっていそうだった。
フィリーネは迷わず通路を通る。
お仕着せのスカートに埃がつかないよう、寄せ集めてから歩いていく。
予想していたとおり、突き当たりにあるのは扉だった。
扉と枠の間から光が漏れている。
「どうか、開きますように」
フィリーネは祈りながら扉のドアノブに手をかけ、回してみる。
カチャリ、という音ともに扉は開いた。
「やりました! 無事に脱出できそうです!!」
思わず歓喜の声を上げるが、慌ててフィリーネは口に手を当てた。
大広間では大勢の招待客で賑わっているが、ここは完全にランドレイス家のプライベート空間。開放されていない場所なので、言ってしまえば不法侵入である。
気を引き締めたフィリーネは、室内をぐるりと見回した。
灯りがともっている室内は、豪奢な装飾品で溢れていた。カロンが古城は地味だと言っていたが、この部屋の壁には絵画が飾られ、暖炉には精巧な陶器が飾られている。
天蓋つきのベッドやチェストなどにはマホガニーの木材が使われており、上質な家具だというのが一目で分かった。柱や回り縁には、相変わらず金箔の装飾が施されている。
因みに、フィリーネが出てきたところは室内側からだと扉ではなく、田園風景の絵画となっていた。
フィリーネは絵画の扉を閉める。