迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~
第6話 予想外の罰2
野菜の下処理を終えたフィリーネは達成感に浸っていた。剥いて切った野菜たちを料理長に渡したら、上出来だと褒められたのだ。
普段は無口で滅多に誰かを褒めない料理長からの賛辞。きっとこれはお世辞ではないはずだ。だからこそフィリーネは嬉しくてニコニコ顔になってしまう。
「今日はいつも以上に薄く野菜の皮が剥けたので自信があったんですよね。ふふ、嬉しいです」
料理長は作業が早く終わったからとフィリーネに昼休憩を勧めてくれた。
お言葉に甘えることにしたフィリーネは、厨房から隣の作業場に移動する。
すると、マーシャが階段を駆け降りてきた。フィリーネを見つけるなり血相を変えて詰め寄ってくる。
「ミリーネお嬢様がお呼びです」
顔色をなくしたフィリーネは口もとを手で覆う。恐れていたことが想定より早く起きてしまった。
「お呼びって、ランドレイス様は? 帰るにはまだ早いと思うのですが」
いつものスケジュールでいけば、アーネストはミリーネとお茶を楽しんだ後で昼食を取ってから帰る。そのため厨房では朝から料理人たちが忙しなく働いていた。
「公爵様の容態が芳しくないと連絡が入り、先ほどお帰りに。ミリーネお嬢様が引き留めましたがダメでした」