【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
「……あのね、俺は本当にそんなかわいいアリスのことが好きだし、これからも知るたびに好きになっていくと思うよ。頼むから、そんなかわいい事を仕事中に言わないで。何もかも投げ捨てて連れ去りたくなるから。わかった?」

 どうやら自分の心配は杞憂だったみたいだとほっと息をついてはにかんで頷いた。ゴトフリーはそんなアリスを見て複雑そうな顔をして言う。

「これ以上ないくらい大事だし、そう扱っているつもりなんだけど、伝わっていなかったのかな。もしかしたら何かで不安にさせていたらごめん。アリスが俺にもっと好かれたいと思うなら、簡単だよ」

 その言葉に首を傾げるアリスを見て愛おしげに笑った。

「居れる時に一緒に居て、そのかわいい笑顔を見せてくれるだけで良いんだ。俺のために何か努力してくれようとするのもたまらないくらい嬉しいけど、あんまりかわいい事言われたりされたりすると家に閉じ込めて誰にも見せたくなくなるから、そこは自重して」

 それでも良いなって思ってしまう程彼に溺れてしまうのは、初めての恋がそうさせているのだろうか。たとえそうだとしても、この恋を持続させる努力を怠りたくはなかった。ゴトフリーの事が好きで、もっともっと好きになるたびに飢える程に彼からの言葉がほしくなる。

 絶対に失いたくないものを持つことで人は強くなり弱くなる。ようやくその意味を知ったから。




< 193 / 262 >

この作品をシェア

pagetop