理王くんの甘い罠
そんな俺なんて傍らに、先輩はノートを広げてすらすら文字を書き始める。


数学……やってるのか……。


苦手な割にはすらすら書くなと思いながらも、その所作についつい見惚れてしまう。

だって、思っていたより字が汚くて、可愛いから。


「……んー……ねえ、綾瀬くんこれわかる?」

「えっ……」


お、教えたい……!!でも、俺はバカだから……


ふと、あの気持ちの悪い男(四条先輩)の顔が頭に浮かんだ。

いや、コイツに負けていられない。



「こ、この公式とかに当てはめてみたらどうですか……?」


俺の持っていた一年生の教科書に書いてあった公式。


「んー……?こうかな、あ!!できたっぽい!ありがとう!」



< 19 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop