【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
敵国の英雄を直接目にして怒り狂った民衆に泥も投げつけられ、今ではもう見るも無惨な姿になってしまっていた。
それでも。
貧しい花売りの娘は、一目見て彼に恋をしてしまったのだった。
◇◆◇
スイレンという珍しい名前は異国の花が由来なのだと、亡くなってしまった両親は言った。
母親もスイレンと同じようにガヴェアの王都で瑞々しい生花を籠に入れて売り歩く花娘達の一人だったので、変わった名前の理由も大人になるにつれ納得が出来た。
魔法大国ガヴェアは、魔法の資質で全てを問われる国だ。幼いころに両親を亡くし、自分一人だけになってしまって、せめても母親の得意な花魔法の資質を受け継いだのは彼女にとって良かったことなのだと思う。
「スイレン。おはよう。今朝は、赤い花と白い花をおくれ」
食堂で飾る花を、毎朝買ってくれる宿屋の女将さんは常連だ。
毎日、大きな花籠を持ったスイレンがこの通りを通る頃に、店の前で待っていてお釣りの心配がないよう、丁度のお金を渡してくれる。
それでも。
貧しい花売りの娘は、一目見て彼に恋をしてしまったのだった。
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スイレンという珍しい名前は異国の花が由来なのだと、亡くなってしまった両親は言った。
母親もスイレンと同じようにガヴェアの王都で瑞々しい生花を籠に入れて売り歩く花娘達の一人だったので、変わった名前の理由も大人になるにつれ納得が出来た。
魔法大国ガヴェアは、魔法の資質で全てを問われる国だ。幼いころに両親を亡くし、自分一人だけになってしまって、せめても母親の得意な花魔法の資質を受け継いだのは彼女にとって良かったことなのだと思う。
「スイレン。おはよう。今朝は、赤い花と白い花をおくれ」
食堂で飾る花を、毎朝買ってくれる宿屋の女将さんは常連だ。
毎日、大きな花籠を持ったスイレンがこの通りを通る頃に、店の前で待っていてお釣りの心配がないよう、丁度のお金を渡してくれる。