【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 竜騎士と言えば、隣国ヴェリエフェンディの守護竜イクエイアスの眷属の竜を駆る、周辺国では最強と謳われる竜騎士団に属する男達だ。

 なぜ、その中の一人が捕まってしまったのだろうか。

「あの男。騎乗していた竜が大怪我をして墜落して、その竜の命乞いをして大人しく捕らえられたらしいぞ」

「ははは。バカな男だな。竜とて所詮は獣。命を救われたという、感謝の気持ちもわからぬだろうに」

 ぼそぼそとした嘲笑を含んだ声が、周囲から漏れ聞こえて来た。

 スイレンは周囲を背の高い男の人達に囲まれてしまい、慌ててその場から抜け出そうとするものの、上手くいかなかった。

 売り物の大事な花が入った籠を押し潰されないように、彼らの動きに付いて行くしかなかった。

 ぎゅうぎゅうに押しつぶされてしまいそうなほどに密集した多くの人々の中、やっとのことであまり混んでいない隙間へと辿り着く。

 視界が開けたその場所から、檻の中に居る彼の姿が見えたのだ。

(なんて……強くて、綺麗な目をした人だろう)

 最初彼を見た時、印象はそうだった。

 大型の魔物用なのだろうか。太い鉄格子が周囲を囲む柵の中。

< 5 / 340 >

この作品をシェア

pagetop