婚約者の愛が重すぎるのでわからせようと思います!
最愛の婚約者
煌びやかなシャンデリアの灯りを受け、キラキラと輝く存在が私をその燃えるように赤い瞳で愛おしげに見つめている。
「ゾーイ」
優しく私の名前を呼ぶ彼はなんて魅惑的で美しいのだろう。
彼の名前はルーカス・ヴァレンタイン。
歳は20歳で、私よりも2つ上。ヴァレンタイン次期公爵であり、とても優秀で何一つ欠点のない完璧な人だ……と世間からは知られている。
だが、私は知っている。
何をやらせてもそつなくこなし、見た目も美しく、さらには人格者である彼にも、少々問題な部分がある、と。
「君の話は聞いていて飽きないね。いつまでも聞いていたいよ」
机を挟んで彼の目の前に座る私、アシュレイ伯爵家の長女、ゾーイ・アシュレイに柔らかく微笑み、身に染みているであろう綺麗な所作でルーカスがスッと紅茶を一口だけ飲む。
「けど、やっぱり面白くないな」
そしてゆっくりとカップを机に置くと、じっと言葉通りの表情で私を見た。
不満げなその瞳には、心なしか光を感じない。
「君の1日を独占して、君に手作りのサンドイッチを食べさせ、さらには君の手作りのサンドイッチを食べた…。耐え難いことだ」
寂しげに、憂うように視線を伏せるルーカスはため息が出るほど美しく、一枚の絵画のようだ。
彼の話だけ聞くと私が悪いように聞こえるだろう。
しかし、私の主張も聞いて欲しい。
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