婚約者の愛が重すぎるのでわからせようと思います!
さあ!どうだ!ルーカス!
「会いたい」と言っただけで、突然押しかけられたら嬉しいけど、困惑してしまうでしょう!?
しかも大事な仕事中に!
愛が重いでしょう!?困るでしょう!?
ルーカスの困惑を想像して、得意げにニコニコしていると、ルーカスはスルッと慣れた手つきで私の腰に手を回した。
ん?
それから愛おしそうにルーカスは私を見た。
「待っていたよ、ゾーイ。この時をどれほど待ち侘びていたことか…。会いたかった」
柔らかなルーカスの赤い瞳にまっすぐと見つめられて、心臓がドクンッと大きく跳ねる。
困惑するどころか、喜んでいるように見えるルーカスは、そのまま「お前はもう帰れ。話は終わりだ」と冷たい笑みで商人をこの部屋から追い出した。
…あれ?
「お、お待ちください!まだお話が…!」
ゆっくりと閉まっていく扉の向こうから、青白い顔で商人がこちらに必死に手を伸ばしている。
その姿に、私は罪悪感を覚えた。
まさか私のせいでこうなってしまったのでは?
…いや、間違いなく、私のせいだ。
「私のせいで仕事が台無しになったわね」
胸の痛みを感じながらも、迷惑だったでしょう?と言いたげに、ルーカスの瞳を覗いてみる。
ルーカスはきっと今、私に会えた事実が嬉しすぎて、仕事を台無しにされたことにまで意識がいっていない。
ここでしっかりわからせて、今度こそ疑問の種を植え付けてやる。