婚約者の愛が重すぎるのでわからせようと思います!



さあ!どうだ!ルーカス!
「会いたい」と言っただけで、突然押しかけられたら嬉しいけど、困惑してしまうでしょう!?
しかも大事な仕事中に!
愛が重いでしょう!?困るでしょう!?

ルーカスの困惑を想像して、得意げにニコニコしていると、ルーカスはスルッと慣れた手つきで私の腰に手を回した。

ん?

それから愛おしそうにルーカスは私を見た。



「待っていたよ、ゾーイ。この時をどれほど待ち侘びていたことか…。会いたかった」



柔らかなルーカスの赤い瞳にまっすぐと見つめられて、心臓がドクンッと大きく跳ねる。
困惑するどころか、喜んでいるように見えるルーカスは、そのまま「お前はもう帰れ。話は終わりだ」と冷たい笑みで商人をこの部屋から追い出した。

…あれ?



「お、お待ちください!まだお話が…!」



ゆっくりと閉まっていく扉の向こうから、青白い顔で商人がこちらに必死に手を伸ばしている。
その姿に、私は罪悪感を覚えた。

まさか私のせいでこうなってしまったのでは?
…いや、間違いなく、私のせいだ。



「私のせいで仕事が台無しになったわね」



胸の痛みを感じながらも、迷惑だったでしょう?と言いたげに、ルーカスの瞳を覗いてみる。

ルーカスはきっと今、私に会えた事実が嬉しすぎて、仕事を台無しにされたことにまで意識がいっていない。
ここでしっかりわからせて、今度こそ疑問の種を植え付けてやる。




< 23 / 35 >

この作品をシェア

pagetop