雨は嫌いですか、私は好きです
☂Prologue
梅雨の時期は嫌い。
無造作に伸びた癖っ毛が、言うことを聞かずに暴れるから。
ぴちょん、ぴちょんと。
屋根から滴る雨音が静かな昇降口に響く。
早く帰らないと、雨脚が強くなるだろうな。
そう思って、忙しなく靴を履き替えると傘を握り直す。
人一人がやっと入れる小さなビニール傘。
昇降口を出て、ぼんやりと空を見上げた。
———当分は止みそうにない。
梅雨だから仕方がないのは分かるけど、
何だか気分が沈む。
「おーい」
朝降っていた雨水に濡れてまだ乾いていないローファーに視線を落とし、
ビニール傘を開けた。
「ちょっくら入れてくんね?」
一人だと思っていた所にそう話し掛けてきたのは、
雨すら弾いてしまうくらいの笑顔を浮かべた貴方だった———。
無造作に伸びた癖っ毛が、言うことを聞かずに暴れるから。
ぴちょん、ぴちょんと。
屋根から滴る雨音が静かな昇降口に響く。
早く帰らないと、雨脚が強くなるだろうな。
そう思って、忙しなく靴を履き替えると傘を握り直す。
人一人がやっと入れる小さなビニール傘。
昇降口を出て、ぼんやりと空を見上げた。
———当分は止みそうにない。
梅雨だから仕方がないのは分かるけど、
何だか気分が沈む。
「おーい」
朝降っていた雨水に濡れてまだ乾いていないローファーに視線を落とし、
ビニール傘を開けた。
「ちょっくら入れてくんね?」
一人だと思っていた所にそう話し掛けてきたのは、
雨すら弾いてしまうくらいの笑顔を浮かべた貴方だった———。