隣国へ売られた裏聖女は黒騎士様の病を治して国も繁栄させてしまったので、帰ってこいと言われてももう帰してもらえません
*
セイラが応接室に入ると、応接室のソファには薄紫の髪の毛に赤い瞳の美しい令嬢が座っていた。その隣には、五十代くらいの紳士が座っている。
「お待たせして申し訳ありません」
セイラがそう言ってお辞儀をすると、ソファに座っていたユリアは立ち上がりすぐにセイラの目の前に来てセイラの手を握った。
(えっ?)
「あなたがダリオス様の妻であり、この国の聖女セイラ様ね!はじめまして。ユリア・アベルトと申します。ずっとお会いしたいと思っていたのだけれど、セイラ様は聖女のお仕事でお忙しいでしょう?ようやくこうしてお会いすることができたわ!」
ふわっと嬉しそうに微笑むその顔はまるで可憐な花が辺り一面に咲き誇るようで、セイラの胸はドキリとする。
「ユリア嬢、少し落ち着きなさい。セイラ様が戸惑っておられる」
ユリアの背後から声がしてそちらを見ると、ソファに座る紳士がコホン、と咳ばらいをしてユリアをたしなめる。
「まあ、ごめんなさい、グレイヴス公爵。つい嬉しくてはしゃいでしまったわ。はしたなかったわね」
ユリアがそう言ってほんのり顔を赤らめると、グレイヴス公爵は冷めた瞳をユリアに向けた。
「座りましょう、セイラ様」
「え、ええ」
(なんだかすごい勢いだわ。でも、すごく綺麗で可愛らしい方……!)
「あの、それで今日はどういったご用件でしょうか?」
それぞれソファに座り、セイラは対面しているユリアとグレイヴスに問いかける。すると、ユリアは一瞬目を細めてからすぐにとびきりの笑顔になった。
「私がセイラ様にお会いしたかったというのも大きな目的なのだけど、それ以外にも重要なことがあるんです。ね?グレイヴス公爵」
ユリアが嬉しそうにそう言うと、グレイヴスはあいかわらず冷めた瞳でユリアを見て、それからセイラを真っすぐに見つめる。
「率直に申し上げましょう。セイラ様にはハロルド卿と離婚していただきたい」
セイラが応接室に入ると、応接室のソファには薄紫の髪の毛に赤い瞳の美しい令嬢が座っていた。その隣には、五十代くらいの紳士が座っている。
「お待たせして申し訳ありません」
セイラがそう言ってお辞儀をすると、ソファに座っていたユリアは立ち上がりすぐにセイラの目の前に来てセイラの手を握った。
(えっ?)
「あなたがダリオス様の妻であり、この国の聖女セイラ様ね!はじめまして。ユリア・アベルトと申します。ずっとお会いしたいと思っていたのだけれど、セイラ様は聖女のお仕事でお忙しいでしょう?ようやくこうしてお会いすることができたわ!」
ふわっと嬉しそうに微笑むその顔はまるで可憐な花が辺り一面に咲き誇るようで、セイラの胸はドキリとする。
「ユリア嬢、少し落ち着きなさい。セイラ様が戸惑っておられる」
ユリアの背後から声がしてそちらを見ると、ソファに座る紳士がコホン、と咳ばらいをしてユリアをたしなめる。
「まあ、ごめんなさい、グレイヴス公爵。つい嬉しくてはしゃいでしまったわ。はしたなかったわね」
ユリアがそう言ってほんのり顔を赤らめると、グレイヴス公爵は冷めた瞳をユリアに向けた。
「座りましょう、セイラ様」
「え、ええ」
(なんだかすごい勢いだわ。でも、すごく綺麗で可愛らしい方……!)
「あの、それで今日はどういったご用件でしょうか?」
それぞれソファに座り、セイラは対面しているユリアとグレイヴスに問いかける。すると、ユリアは一瞬目を細めてからすぐにとびきりの笑顔になった。
「私がセイラ様にお会いしたかったというのも大きな目的なのだけど、それ以外にも重要なことがあるんです。ね?グレイヴス公爵」
ユリアが嬉しそうにそう言うと、グレイヴスはあいかわらず冷めた瞳でユリアを見て、それからセイラを真っすぐに見つめる。
「率直に申し上げましょう。セイラ様にはハロルド卿と離婚していただきたい」