隣国へ売られた裏聖女は黒騎士様の病を治して国も繁栄させてしまったので、帰ってこいと言われてももう帰してもらえません
「ですが、今から祈りを捧げても、私の聖女の力が戻るのはいつになるかわかりません。戻った頃にはポリウスは手遅れかもしれない。お姉様はそれでもいいのかしら?よくないわよね」
「それは……」
「ポリウスで苦しむ人々を一刻も早く助けたいのでしょう?だったら、私の聖女の力が戻るのを待っている時間なんてないわ。やっぱり、お姉様にはポリウスに一時的に戻ってきてもらう必要があります。最低限の土地だけでも、浄化をしてほしいの。本当にポリウスを、ポリウスの民たちを助けたいと思うなら、お姉様もどう答えるべきなのかわかるはずよね」
有無を言わさぬ圧をかけてルシアは微笑みながら言う。絶句するセイラの横で、ダリオスが思わず声を荒げる。
「そんな、まるで脅迫めいた言い方じゃないか!」
「脅迫?人聞きの悪い。私はただ、お姉様の気持ちを重んじて言っただけです。誰よりもポリウスのことを大事に思い、そのために力を尽くしてきた聖女であるお姉様だったら、ポリウスを見捨てることなんてできませんもの。ね?お姉様。どうしたって、お姉様がすぐにポリウスに行って浄化しないとダメな状況なの。どうすればいいか、わかるでしょう?」
ルシアは微笑みながら畳み掛ける。そんなルシアを見て、セイラは不安げに瞳を揺らした。
(確かに、これからルシアが毎日聖女の祈りを捧げたところで、力がいつ戻るかなんてわからない。その間に、ポリウスがもっと悪化してしまうとしたら……)
行かない選択をした自分を後悔する時が来てしまうかもしれない。最悪のシナリオに、セイラの顔は青ざめ、手は震えてしまう。そんなセイラの手を、ダリオスは強く握り締めた。そんなダリオスにセイラは視線を向けるが、ダリオスはそのセイラの表情を見て言葉を失う。
「ダリオス様……やっぱり、私が行くしか、ポリウスを助ける方法は、ないのかも知れません」
悲しげに瞳を潤ませ、弱々しくそう呟くセイラに、ダリオスは胸が引き裂かれるような思いだ。
「セイラ……!」
「決まりね、お姉様。私と一緒に来てくださいな。とりあえず主要の土地を浄化さえしてくだされば、またレインダムへお返しします」
ルシアの言葉に、ダリオスは思わずルシアを睨みつける。
「あら?まるで信じてもらえていないような態度ですね。そんなにお姉様が必要?ああ、レインダムには聖女がいなかったから、お姉様を手放すことができないのね。レインダムでも聖女としてこき使われるなんて、可哀想なお姉様」
クスッと笑いながら言うルシアに、ダリオスの怒りは頂点に達する。ダリオスが思わず立ちあがろうとしたその時、クレアが口を開いた。
「こちらを煽ったところで、あなたに利点はありませんよ。そんなことより、セイラ様が一時的にでもポリウスに帰還する必要があるのであれば、夫であるダリオス様と、現在この屋敷の専属魔術師である私がセイラ様に同行します。セイラ様をポリウスに戻してほしいのであれば、この条件はのんでください。のめないのであれば、セイラ様をポリウスにお返しすることはできかねます。たとえ、セイラ様がどんなに望んだとしてもです」
「それは……」
「ポリウスで苦しむ人々を一刻も早く助けたいのでしょう?だったら、私の聖女の力が戻るのを待っている時間なんてないわ。やっぱり、お姉様にはポリウスに一時的に戻ってきてもらう必要があります。最低限の土地だけでも、浄化をしてほしいの。本当にポリウスを、ポリウスの民たちを助けたいと思うなら、お姉様もどう答えるべきなのかわかるはずよね」
有無を言わさぬ圧をかけてルシアは微笑みながら言う。絶句するセイラの横で、ダリオスが思わず声を荒げる。
「そんな、まるで脅迫めいた言い方じゃないか!」
「脅迫?人聞きの悪い。私はただ、お姉様の気持ちを重んじて言っただけです。誰よりもポリウスのことを大事に思い、そのために力を尽くしてきた聖女であるお姉様だったら、ポリウスを見捨てることなんてできませんもの。ね?お姉様。どうしたって、お姉様がすぐにポリウスに行って浄化しないとダメな状況なの。どうすればいいか、わかるでしょう?」
ルシアは微笑みながら畳み掛ける。そんなルシアを見て、セイラは不安げに瞳を揺らした。
(確かに、これからルシアが毎日聖女の祈りを捧げたところで、力がいつ戻るかなんてわからない。その間に、ポリウスがもっと悪化してしまうとしたら……)
行かない選択をした自分を後悔する時が来てしまうかもしれない。最悪のシナリオに、セイラの顔は青ざめ、手は震えてしまう。そんなセイラの手を、ダリオスは強く握り締めた。そんなダリオスにセイラは視線を向けるが、ダリオスはそのセイラの表情を見て言葉を失う。
「ダリオス様……やっぱり、私が行くしか、ポリウスを助ける方法は、ないのかも知れません」
悲しげに瞳を潤ませ、弱々しくそう呟くセイラに、ダリオスは胸が引き裂かれるような思いだ。
「セイラ……!」
「決まりね、お姉様。私と一緒に来てくださいな。とりあえず主要の土地を浄化さえしてくだされば、またレインダムへお返しします」
ルシアの言葉に、ダリオスは思わずルシアを睨みつける。
「あら?まるで信じてもらえていないような態度ですね。そんなにお姉様が必要?ああ、レインダムには聖女がいなかったから、お姉様を手放すことができないのね。レインダムでも聖女としてこき使われるなんて、可哀想なお姉様」
クスッと笑いながら言うルシアに、ダリオスの怒りは頂点に達する。ダリオスが思わず立ちあがろうとしたその時、クレアが口を開いた。
「こちらを煽ったところで、あなたに利点はありませんよ。そんなことより、セイラ様が一時的にでもポリウスに帰還する必要があるのであれば、夫であるダリオス様と、現在この屋敷の専属魔術師である私がセイラ様に同行します。セイラ様をポリウスに戻してほしいのであれば、この条件はのんでください。のめないのであれば、セイラ様をポリウスにお返しすることはできかねます。たとえ、セイラ様がどんなに望んだとしてもです」