隣国へ売られた裏聖女は黒騎士様の病を治して国も繁栄させてしまったので、帰ってこいと言われてももう帰してもらえません
*
「セイラ、大丈夫か?」
怒りに満ちたルシアが帰った後、ダリオスはセイラへ心配そうに声をかける。
「……はい。ルシアが、大変失礼しました」
そう言って、セイラは頭を下げる。そんなセイラを、ダリオスとクレアは気遣うように見つめた。
「クレア、色々とすまなかったな。俺としたことが、つい頭に血が昇ってしまって……君が機転を効かせてくれたおかげてうまくことが運んだ」
「いえ、セイラ様を思うダリオス様であればああなるのは当然です。それに、これが自分の役目だと思っていますので。……セイラ様。先ほどは妹君との交渉のためにあんな風に言いましたが、自分もダリオス様と同じようにポリウスを攻めることはできればしたくないと思っています。ですが、あの時はああ言うしか方法がありませんでした。怖がらせてしまったでしょう?申し訳ありません」
クレアは申し訳なさそうにそう言って、セイラへ向かって深々とお辞儀をする。
(クレア様、ルシアの前ではポリウスを攻めても良いと思っていると言っていたけれど、本心ではなかったのね。よかった……)
レインダムの人間であれば、ポリウスに対してそう思っても不思議ではないし当然のことだとは思う。だがそれでも、ダリオスが信頼するクレアにはそんな風に思って欲しくないと願ってしまったのだ。クレアの本心ではないと知って、セイラの恐怖心はじんわりと溶けていく。
「いえ、クレア様のおかげで、私は問題なくポリウスへ一時的に戻ることができます。それに、ダリオス様とクレア様がご一緒してくださるなんて心強いです。ありがとうございます」
眉を下げて静かに微笑むセイラに、クレアもまた優しく微笑んで頷いた。
「よし、準備をしっかりして、なるべく早くポリウスへ向かおう。セイラ、どんなことがあっても、セイラのことは俺が守る。安心してくれ」
ダリオスはセイラの両手をしっかりと掴んだ。ダリオスの手の温もりがセイラの冷え切っていた手をじんわりと温めていく。まるで手だけでなく、心の中まで温もりが伝わっていくようだ。
(ダリオス様やクレア様のおかげで、無事にポリウスへ行くことができる。本当に私は恵まれているわ。お二人のためにも、ポリウスの土地を浄化して、なるべく早くレインダムへ戻って来れるようにしなくちゃ)
「セイラ、大丈夫か?」
怒りに満ちたルシアが帰った後、ダリオスはセイラへ心配そうに声をかける。
「……はい。ルシアが、大変失礼しました」
そう言って、セイラは頭を下げる。そんなセイラを、ダリオスとクレアは気遣うように見つめた。
「クレア、色々とすまなかったな。俺としたことが、つい頭に血が昇ってしまって……君が機転を効かせてくれたおかげてうまくことが運んだ」
「いえ、セイラ様を思うダリオス様であればああなるのは当然です。それに、これが自分の役目だと思っていますので。……セイラ様。先ほどは妹君との交渉のためにあんな風に言いましたが、自分もダリオス様と同じようにポリウスを攻めることはできればしたくないと思っています。ですが、あの時はああ言うしか方法がありませんでした。怖がらせてしまったでしょう?申し訳ありません」
クレアは申し訳なさそうにそう言って、セイラへ向かって深々とお辞儀をする。
(クレア様、ルシアの前ではポリウスを攻めても良いと思っていると言っていたけれど、本心ではなかったのね。よかった……)
レインダムの人間であれば、ポリウスに対してそう思っても不思議ではないし当然のことだとは思う。だがそれでも、ダリオスが信頼するクレアにはそんな風に思って欲しくないと願ってしまったのだ。クレアの本心ではないと知って、セイラの恐怖心はじんわりと溶けていく。
「いえ、クレア様のおかげで、私は問題なくポリウスへ一時的に戻ることができます。それに、ダリオス様とクレア様がご一緒してくださるなんて心強いです。ありがとうございます」
眉を下げて静かに微笑むセイラに、クレアもまた優しく微笑んで頷いた。
「よし、準備をしっかりして、なるべく早くポリウスへ向かおう。セイラ、どんなことがあっても、セイラのことは俺が守る。安心してくれ」
ダリオスはセイラの両手をしっかりと掴んだ。ダリオスの手の温もりがセイラの冷え切っていた手をじんわりと温めていく。まるで手だけでなく、心の中まで温もりが伝わっていくようだ。
(ダリオス様やクレア様のおかげで、無事にポリウスへ行くことができる。本当に私は恵まれているわ。お二人のためにも、ポリウスの土地を浄化して、なるべく早くレインダムへ戻って来れるようにしなくちゃ)