隣国へ売られた裏聖女は黒騎士様の病を治して国も繁栄させてしまったので、帰ってこいと言われてももう帰してもらえません
「大丈夫だ、セイラ。心配ない」
ダリオスの微笑みに、セイラの胸はほんの少しだけ解れていく。セイラも、小さく頷いてからダリオスへ微笑み返した。
「さて、この話はこのくらいにしましょう。来週から、セイラ様には元ポリウス内の瘴気の強い場所を三箇所回っていただきます。前回行くことができなかった場所です」
そう言って、クレアは机に元ポリウスの地図を広げて、魔法で場所に印をつける。
「行きはセイラ様お一人で、現地にて元ポリウスの騎士団とルルゥ殿と合流します。今回ダリオス様は最初からはご一緒できませんが、途中から合流予定です」
「俺も、別件で元ポリウスへ行くことになっている。任務が済んだらすぐにセイラの元へ向かうよ」
「ちゃんと、仕事は終わらせてきてくださいね」
「わかってるよ」
クレアの苦言に、ダリオスは渋々といった様子で返事をする。それを見て、セイラはクスクスと小さく笑っていた。
(一人で行くのは心細いけれど、ポリウスの騎士団やルルゥもいるからきっと大丈夫よね。後からダリオス様も来てくださるし)
瘴気の強い所であれば、魔獣が出る可能性がある。どれほどの強さの魔獣かも、どのくらいの規模の瘴気かも、行ってみなければ何もわからない。
「それで、行くときはこれを持って行ってください」
そう言って、クレアは長方形の小箱を机に乗せ、蓋を開く。そこには、腕輪がずらりと並べられていた。
「これは……ダリオス様専用の腕輪ですか?」
「ええ、ですがもうダリオス様の腕はセイラ様のおかげで治りましたし、ダリオス様には必要ありません。ですので、この腕輪に以前のようにセイラ様の力を入れておいて、セイラ様の力が使いすぎてしまった際にはこれをつけていただければと」
確かに、元ポリウスへ浄化へ行った際、力を使いすぎて疲弊していた時にこの腕輪をつけて一時的に力が回復したのを覚えている。まさか、こんなに腕輪を準備しているとは思わず、セイラは驚く。
「これを、全部クレア様が?」
「作るのはそこまで難しくないのですよ。むしろ壊れたものを修復することに時間がかかっていましたから。ダリオス様はすぐに腕輪を壊してしまうので大変でした」
小さくため息をついてクレアが言うと、ダリオスが少しムッとしたように反論する。
「あれは仕方ないだろう。俺だって壊したくて壊したわけじゃない」
「はいはい、もちろんわかってますよ。ということでセイラ様、出立前にこの腕輪に力を込めてお持ちください」
「……ありがとうございます!」
(この腕輪があれば、力を使いすぎてしまっても安心だわ。とっても心強い!)
セイラが目を輝かせてクレアにお礼を言うと、クレアもダリオスも嬉しそうに微笑んだ。
ダリオスの微笑みに、セイラの胸はほんの少しだけ解れていく。セイラも、小さく頷いてからダリオスへ微笑み返した。
「さて、この話はこのくらいにしましょう。来週から、セイラ様には元ポリウス内の瘴気の強い場所を三箇所回っていただきます。前回行くことができなかった場所です」
そう言って、クレアは机に元ポリウスの地図を広げて、魔法で場所に印をつける。
「行きはセイラ様お一人で、現地にて元ポリウスの騎士団とルルゥ殿と合流します。今回ダリオス様は最初からはご一緒できませんが、途中から合流予定です」
「俺も、別件で元ポリウスへ行くことになっている。任務が済んだらすぐにセイラの元へ向かうよ」
「ちゃんと、仕事は終わらせてきてくださいね」
「わかってるよ」
クレアの苦言に、ダリオスは渋々といった様子で返事をする。それを見て、セイラはクスクスと小さく笑っていた。
(一人で行くのは心細いけれど、ポリウスの騎士団やルルゥもいるからきっと大丈夫よね。後からダリオス様も来てくださるし)
瘴気の強い所であれば、魔獣が出る可能性がある。どれほどの強さの魔獣かも、どのくらいの規模の瘴気かも、行ってみなければ何もわからない。
「それで、行くときはこれを持って行ってください」
そう言って、クレアは長方形の小箱を机に乗せ、蓋を開く。そこには、腕輪がずらりと並べられていた。
「これは……ダリオス様専用の腕輪ですか?」
「ええ、ですがもうダリオス様の腕はセイラ様のおかげで治りましたし、ダリオス様には必要ありません。ですので、この腕輪に以前のようにセイラ様の力を入れておいて、セイラ様の力が使いすぎてしまった際にはこれをつけていただければと」
確かに、元ポリウスへ浄化へ行った際、力を使いすぎて疲弊していた時にこの腕輪をつけて一時的に力が回復したのを覚えている。まさか、こんなに腕輪を準備しているとは思わず、セイラは驚く。
「これを、全部クレア様が?」
「作るのはそこまで難しくないのですよ。むしろ壊れたものを修復することに時間がかかっていましたから。ダリオス様はすぐに腕輪を壊してしまうので大変でした」
小さくため息をついてクレアが言うと、ダリオスが少しムッとしたように反論する。
「あれは仕方ないだろう。俺だって壊したくて壊したわけじゃない」
「はいはい、もちろんわかってますよ。ということでセイラ様、出立前にこの腕輪に力を込めてお持ちください」
「……ありがとうございます!」
(この腕輪があれば、力を使いすぎてしまっても安心だわ。とっても心強い!)
セイラが目を輝かせてクレアにお礼を言うと、クレアもダリオスも嬉しそうに微笑んだ。